◆REPAIRLOG 19990818

    1年ちょっと前に故障品のミニコンポを譲っていただいた方からメールを受け取りました。
    出力が1系統しかない最近のデッキをバラして、2系統に増やすべく検討していたら動作がおかしくなったと書かれていました。
    メールには樹脂製レバーとスプリングの写真が添付されており、筐体の中から出てきたとのことです。
    写真をよく見るとどうやらメカ部のシャフトに入る部分と嵌め込んだときのロック爪がついているのが分かる程度で、どのような機能なのかはわかりません。
    とりあえずぽつんとシャフトが立っていたら差し込んでみるように返信を出しましたが、これではらちがあかないと自分でも思います。
    結局相談の結果、珍宅までダメモトで送ってもらうことになりました。

・機器名

    三菱 HV−F530
・症状/入手費用
    イジェクト時テープ巻き込み。
・故障確認
    確実に部品が脱落しているので特に確認せず。
・修理部品/時間
    約45分。
・修理状況
    サイドのネジ4本を外しトップカバーを開けます。
    わぉ! スイッチングレギュレーターがシールドされていないやんけ。
    コストダウンもここまできたかと驚きました。






    メカ部だけ外れそうですが、基板毎外すことにします。
    以前SONY製のメカ部品ASS’Yを使用した3流メーカのデッキをバラしたときに、本体のボトム側ネジを全部外したらテープローディングユニットがバラバラになってしまったことがあります。
    フロントキャビネットASS’Y、ボトムプレート、フロント操作基板の順に外します。
    操作基板は手前側に90度倒してから引き抜く高そうなコネクターが直付けになっていました。
    無理に引くと壊れそうです。
    この時点でボトムプレートにDECKと書かれた部分のネジを外せば基板はそのままでよいことがわかりました。

    しかしメカ部を数分眺めていても、外れたレバーを組み込むシャフトが見つかりません。
    裏返すと、なーんだここかとすぐに判明しました。


ここでした↓




    しかし組み立て動作確認すると、やはりテープを巻き込みます。
    再生時に画像をチェックすると、あららスキュー歪が。
    テープの裏側にあたるテンションバンドのアームが、なんと外側にあるではないですか。
    どのモードでもアームが全く動作していません。
    もう一度メカ部だけ外して見ると、アームを動作させるカムが動いていません。
    カムは回転ギアの溝にはまって・・・
    なんと回転ギアの溝が2本あり、別の溝にはまってまったくアームを動かしていないようです。
    とりあえずカムの溝を変えて再度組み立てます。
    再生、巻き戻し、早送り、イジェクト、問題なく動きます。
    きっと持ち主の方がメカ部を外したときに、うっかり触ってしまったのでしょう。