◆REPAIRLOG 19990307
会社の女性から頼まれたデッキの修理に取り掛かる。
以前別のデッキを修理して、それがちゃんと動作しているので信用があるらしい。
このデッキもバレンタインのチョコを貰っていたし、そろそろ片付けなくっちゃ。
・機器名
・症状/入手費用
持ち主曰く、自分が使用していなかったのでよくわからないが壊れている。
・故障確認
先ずはトップカバーを開ける。
ヘッドが汚れて砂嵐だったが、主要部分の動作は問題ないようだ。
とりあえずローディング系と走行系をオーバーホール。
REWモードからSTOPすると、テイクアップ側リールが止まらずにクルクル数回転しカセットの中でテープが弛む。
FFモードでは少しましだったが、それでもサプライ側リールの1回転分は弛む。
原因はメインブレーキ不良だ。
・修理部品/時間
・修理状況
実はVC−F18を珍言采も1台持っている。
そのうち修理しようと部屋の隅に立てておいたのを思い出した。
自分のVC−F18もブレーキ系が不調だったので、この際まとめて修理することにする。
先ずは部品の入手。
幸いなことに消耗部品キットがあるので、少なくとも頼まれたデッキは全消耗部品を交換した方がよいだろうと判断。
後で問題を起こしたら恥じだもんね。
シャープの新座サービスセンターへ電話すると在庫があるのでとりあえず2セット注文した。
これまた幸いなことに、頼まれた女性が住んでいるところからスクーターで10分かからない距離らしいので、部品の引取りをお願いする。
1セット2400円+消費税。
消耗部品キット(シャープではメンテナンスキット)↓
部品が来たので、トップカバー、ボトムプレート、フロントキャビネットアッセンブリー、カセットハウジングの順にバラしていく。
メインブレーキは、リールドライブアッセンブリーの中に組み込まれていて、そのままでは交換できない。
メカシャーシのトップ側からネジを外して、リールドライブ機構を外す。
リールドライブ機構を外しバラバラの状態↓
ここでシャープ特有の重大欠陥を発見。
メカのモードに合わせてブレーキをかけたり各種レバー類を動作させる樹脂製のカムスライダーがあるが、スライダーの位置を保持したり解除するプランジャーに取り付けられているスプリングが今にも飛び出しそうになっている。
スプリングのシャフト部分に樹脂製のストッパーがあるが、経年変化で曲がってしまい手で少し押すと簡単に折れてしまった。
自分のVC−F19をバラしてみると、こっちも同様な状態だった。
このストッパーはメカシャーシと一体に成形されているので、交換部品はない。
そう言う意味で重大な欠陥と言える。
ストッパは曲がり、ゆるゆるになってスプリングの力で簡単に回る。
白く汚れているのは、瞬間接着剤でストッパを固定しようと試みたため。
スプリングが今にも飛び出してしまいそう↓
大きな樹脂製のシャフト部分を見ると中空なので、ここをビスとナットで固定しスプリングは大き目の平ワッシャで押さえることにする。
適当な大きさのものが手持ちであったので2台とも同様な対処をする。
しっかり固定されて、スプリングの回転も問題ない状態↓
シャープはこの部品代が安い修理方法を採用してくれないかな。
スライダーを取っ払ってブレーキ系の消耗部品を全部交換。
ついでにキットに入っていたピンチローラやベルト類も交換。
組み立て完了。
完璧に動作するようになった。
結局カセット内でテープが弛む原因は、メインブレーキの磨耗だけでなくプランジャーが戻るタイミングが遅れるので、スライーダー状のカムがしっかりブレーキレバーを押し付けることができないものだった。

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