◆REPAIRLOG 19981123

先日ThinkPad535Xを買ったので、しばらくPCで遊んでいたせいか修理をサボっていた。
さらに悪いことに、今まで使用していた535のWin95がおかしくなったので、これまた悪戦苦闘していた。
もっと悪いことに、535Xに送られてきたWin98アップグレードCDをPCMCIAのCD−ROMドライブからインストールしたものだから、PCカードがささっているとシャットダウンできない。
そうこうしていたら、N大に勤務するYさんからビデオデッキの修理を頼まれた。
Yさんには以前フリーマーケットのビデオデッキを買ってもらったこともあり、さらに新潟の銘酒やお米でもお世話になっているので、ここは我輩の修理の名誉を汚してはいけない。
(ふーむ、まるでクリンゴン人だな)

・機器名

    FUNAI VR−G7A
・症状/入手費用
    映らない。
・故障確認
    電源を入れる前にトップカバーを開ける。
    特徴は、小さい軽い、底は全面が基板でメカが上に乗っている最近の設計。
    ヘッド掃除、カセットハウウジンググリスアップと一通りの整備を行う。
    再生すると画像も音も出る。
    なんだヘッドの汚れかと思ったのが、つまづきのもとだった。
    画像が上下にガタガタする。
    スイッチングポイントのズレね、と基板上のサブVR(調整用)を探すと見つかった。
    珍言采家のリファレンスデッキで撮ったテープを再生しながら調整完了。
    参考のために書くと、モニターのV−HOLDを回して画面中央に垂直のバーを持ってくる。
    デッキのスイッチング調整VRを回して切り替えポイントを画像の中から追い出し、垂直同期を邪魔しない位置へ移動させるだけ。
    やったぁー! 修理完了と思ったら今度も大間違い。
    テープをイジェクト完了すると、入っていないテープをローディングしようと勝手に動き出してエマージェンシーモードに入り停止する。
    全面ディスプレイのエラーコードは3番。
    珍言采に3番だと教えてくれてもなぁー。
・修理部品/時間
    約4時間。
・修理状況
    翌週、Yさんにメールを出して故障状況を確認。
    どうやら買ったときからテープを入れておかないと動作がおかしかった様子。
    とりあえずヘッドの汚れとカセットローディングを直した時点でYさんの故障は終わっていたのだ。
    しかし、ここはクリンゴンの名誉のために完調にしなくては。
    ビデオデッキはテープが入っていないのに、入ったと勘違いしている。
    先ずはモードスイッチの接触不良かと安易に考えた。
    そこでメカを外して、モードスイッチを見つける。






    回転式のモードスイッチをバラして接点グリスを拭き取るように保存。
    CRCで磨いたら接点グリスを戻して塗る。
    組み立てたら動作確認。
    ありゃぁ? 直っていないぞ。
    そういえばと、トップカバーを開けたまま動作確認。
    症状が出ない。
    そっか、テープの巻き戻しエンドセンサーに天井の明かりが当たっているとOKだ。
    とするとエンドセンサーに赤外線が届いていないので、テープが挿入されたと勘違いしているのだ。
    ならば何故届かないか調査。
    このデッキはこの機構も結構コストダウンに力を入れている。
    通常テープカセット内に赤外LEDの灯台が入るが、LEDは基板上に1個あるだけ。
    つまり基板のLEDからの赤外をメカ上部のアクリル製プリズムで2方向へ分けて、カセットハウジング両端では更に鏡で反射してまた基板上の赤外センサーへ落としている。
    ならばとプリズム、鏡2個を外してアルコール清掃完了。
    まだ直らない。
    それなら故障としては珍しいが、きっとLEDの不良だ。
    ということで、たまたま持っていて使わない新品のリモコンを1個壊し赤外用のLEDを交換することにする。







    ↑ アカイ製のCDプレーヤのリモコン。
    上記リモコンのツインLEDの1個を外して、交換する。






    LEDのリードが自立型で基板の穴に入らなかったので、少しニッパで切って細くして挿入する。
    半田付けすると、おぉ動いたぜぃ。
    やったぁ! 今度こそ修理完了。