◆REPAIRLOG 19980815(結局負け)

7月半ばから休みなく出勤していたせいか体調が悪くなってきた。
なにしろ午前10時台に出勤するのだが、退社が午前1時頃になる場合が多くそれも土日なしだから困ったもんだ。
別に旧盆というわけではないが、15、16と久々の土日連休となりビデオデッキの修理を開始した。

・機器名

    松下 NV−F400
・症状/入手費用
    このNV−F400は、8月の第1週に珍言采のフリーマーケットへ掲載していたORIONのHi−Fiデッキと交換したものだ。
    読者からは、もう1台の壊れた東芝のS−VHS機+差額の条件で交換してくれとメールが来た。
    2台とも故障とだけで症状はよくわからなかった。
    またリモコン等の付属品もなかった。
・故障確認
    14インチTVの画像上で、約1cmくらいのS字型(ミミズ型)カラーノイズがランダムに出る。
・修理部品/時間
    修理部品はアースリードワイヤー。
    所用時間は約1時間。
・修理状況
    外観と構造は以前修理したNV−G50によく似ていた。
    トップカバーを開けてみると各所にそれなりの汚れがあった。
    先ずドラム上部のアースブラシをアルコールを浸した綿棒で清掃すると真っ黒に汚れた。
    とりあえず再生してみるが、ノイズは消えない。
    次にヘッドを掃除するが、これでも消えない。
    走行系の各所を清掃するが、それでも消えない。
    このデッキはどうも愛煙家のところで働いていたらしく、走行系とドラム表面にかなりのヤニが付着していた。
    通常の倍の本数の綿棒を使用してようやく清掃完了。
    ボトムプレートを外して2本の長いコッグドベルトを清掃し、両方ともテンショナーを利用して張りなおす。
    疲労のせいかボーっとした頭でノイズの原因をいくつか考えながらふと見ると、ローディングアームのシュウドウ部にアース用の細いブラシが付いている。
    メカのベースはアルミで、最近のデッキのようにシュウドウ部に樹脂プレートを張ったりしてない。
    ローディングアームのベースもアルミ製。
    このブラシは何用かと考えると、テープに発生する静電気をメカベースに逃がしているのではないかと思い付いた。
    そこでシュウドウ部をアルコールで清掃し古いグリスを除去してから新しいシリコン系グリスを塗布する。
    あやや、試しに再生すると盛大なミミズノイズは消えてしまった。
    キャプスタンモーターの制御系回路と、テープの静電気、どっちが原因だったのだろう。
    どうも後者のような気がするが・・・

    数日後手持ちのリモコンが使用できるかテストするために電源を入れる。
    あやや、今度はノイズが少し大きくなって暴れている。
    いつのまにか成長しているぞっと冗談はやめにして、再度トップカバーを開けて調べる。
    今日はそれほど疲労もないので、あれこれ考えながら試す。
    ノイズはどう見ても周期性がある。
    ドラムサイドのスチール製リブとカセットハウジングには、シールドプレート用のネジ穴があるが使用された形跡はない。
    とりあえずドラム背部の全体がシールドされたプリレコ基板を手で押すとノイズが変る。
    そこでプリレコ基板のワイーヤーハーネス3組を外し、基板自身もドラムベースのコネクターから外して再度装着してみる。
    効果はまったくない。
    次に疑うのが、あまりにもそれらしいスイッチングレギュレータ。
    まさか、これほどしっかりシールドされて・・・
    とりあえずシールドケースの一端を太いワイヤーでメカベースに落とす。
    あらら、ノイズが消えてしまった。
    そんな、アースラインの不備だったのか。

    数日後電源を入れてみる。
    あやや、ノイズは小さいがまたまた暴れている。
    しばらく様子を見ると目立たなくなった。
    結局、今まで何をやっていたんだろう。
    とりあえず頭を冷やすためにしばらくこのデッキはフリーズすることにした。
    あーぁ、1敗だ。