◆REPAIRLOG 19980606

読者からメールが届いた。
SONYのマルチディスクプレーヤMDP−333が故障したので見て欲しい。
先ず送料先払いで送るので修理できるか判定し、駄目なら珍言采のフリマ欄へ載っているMDP−601を購入する。
その場合はMDP−333は差し上げると書いてあった。
やったぁ! 在庫が1台売れて玩具が1台貰える。

・機器名

    SONY MDP−333
・症状/入手費用
    持ち主曰くトレイ開閉時にガリガリ音がする。トレイの蓋が壊れたので取った。アナログ音声が出ない。
・故障確認
    確かにトレイの蓋がない。ベルトが伸びてトレイが開かない。トレイの右側が下がっている。メディアの種類を認識しない。アナログ音声は出ている。
    元箱に入って来たが、取り説とリモコンが入っていない。手元に置いておきたいのはきっと直して欲しいんだなと理解する。
・修理部品/時間
    持ち主に断って、同型のジャンクを1台購入し3800円+税。ベルト1本を購入して210円。
    所用時間は約2時間。部品やジャンクの買い出しに2日。
・修理状況
    ジャンクからトップカバー、ボトムプレートを外してフロントキャビネットアッセンブリーを取り出す。





    このアッセンブリーはコネクター1本で接続されているだけなので、わりと簡単に外れる。このときトレイは手で引いて全開状態にしておく。
    メディアを押さえるクランパーをプレートごと外す。
    トレイを引き抜く。
    トレイを駆動しているギアは3枚。うち1枚にベルトがかかっておりスリップしているのを確認。
    この部分のトラブルは多いらしくベルトを注文したらプーリーまで入っていた。
    プーリーの形状を比較すると、新しい方は径も大きくなりV溝の形状も鋭くなっている。つまりスリップを対策している。
    一緒に入っていた説明書の通りに古いプーリーをラジオペンチで抜いて、新しい方を規定の深さまで計りながら圧入する。
    ベルトをかけて一度トレイを動作させテストをする。ギアの回転音がガリガリとかなりする。この部分もEリングを外してジャンクの方から3枚のギアを交換しシャフトへグリスを塗布する。





    トレイのシュウドウ部もへシリコン系のグリスを塗布する。
    メディアの認識は光学的に行っている。センサーユニットの上部が真っ黒だったのでアルコールで清掃する。
    ついでにピックアップレンズも清掃。
    ひとまず組み立てて動作確認。
    メディアを入れないと光ピックアップが内周から外周へ移動し探し続ける。
    そこで光ピックアップを駆動部分ごと外し、初期位置の検出を行っているリーフスイッチの接点をアルコールで清掃すると直った。
    もう一度組み立てて動作確認。
    しばらくは気が付かなかったが、CDをトレイへ乗せてCLOSEボタンを押さずに再生ボタンを押すと、光ピックアップが最外周部分を過ぎてもCDを検出しようとする。
    一度トレイをCLOSEして、CDのTOCを読み取ってから再生するぶんには全く問題がない。
    珍言采はいつもCLOSEしてから再生ボタンを押す癖がついている。
    TOC読み取りとメディア検出を兼ねると失敗するらしいので、ひょっとしたら光ピックアップの出力が落ちているのかとジャンクから取り外したものと交換してみるが、これはノイズが多くて駄目だった。
    仕方がないので持ち主にはCLOSEしてから再生ボタンを押すように了解を取ることにする。
    とりあえず再生ボタンの件があるので、今回は引き分けとする。
・報酬
    特になし。