◆REPAIRLOG 19980407

珍言采のHPを見た人から切れたビデオテープの修理を頼まれた。
頼まれ仕事はなるべく早く片づけなくっちゃ。
ちなみに該当のテープを切った憎きビデオデッキを、修理のお礼にいただけることになった。
成敗してくれる!

・機器名

    VICTOR VHS T−60
・症状/入手費用
    持ち主曰く、1983年録画のテープですが切れました。
    お礼にいただいた壊れたビデオデッキの送料とテープの返送料をこちらで負担。
・故障確認
    手でリールを回すと確かにリーダー部分で切れていた。
・修理部品/時間
    部品は特に必要なし。
    所用時間は約10分。
・修理状況
    ボトム側から5本のネジを外す。
    テープ表面に指紋を付けないために、白い綿の手袋を装着。
    リーダー部分の一番端、リールに巻き込む先端から10mmの所で切断されている。
    断面はかなりギザギザ、メカ的に引き千切られた様子。
    リール下部の穴から精密ドライバーの一番細い先端でストッパを押し上げて、切れ端のリーダー部分ごと外す。
    昔のリールは、上部の透明部分の穴からテープのストッパが外せるものが多い。
    残った長い方のリーダー部分先端をストッパー内に噛み込ませて「パチン」と押してとめる。
    結果的に20mm程リーダーが短くなっただけで修理を終わった。ラッキーにもテープが2本になったり接合したりせずに済んだ。
    リーダー部分の長さについては心配する人もいるだろうが、VHS−Cをカセットアダプターに入れた状態と比較すると全く問題ない。
    が、頼まれ仕事なので念のために我が家の6台で確認。やはり異常なし。
    めでたし、めでたし
    バラしたついでに、カセットハーフ内部の埃をカメラ用の大型ブロアーで「ヒカヒカ」と吹き飛ばす。
    「ヒカヒカ」を知っている人はかなり古い。
    分解と逆に組み立て完了。
    ビデオデッキに入れて早送りと巻き戻しの走行テスト。特に問題無し。
    次に再生。画質は16年経過しても悪くない。ちらっと映る録画ビデオデッキはポータブルのビクターHR−2200らしい。
    あまり繁々と他人のテープを見るのは悪いので、再生早送り状態で簡単にチェック。
    ありぃ、40分を経過するあたりから画質が落ちた。
    ヘッドをクリーニングすると画質回復。どうもヘッドの汚れは、テープの方に若干問題があるらしい。
    16年前のテープだからバインダーの劣化で部分的な磁性体剥離も仕方ないか。
    とりあえず持ち主には、早めにダビングするように言っておこう。
・報酬
    壊れたビデオデッキ1台。嬉しい。