◆REPAIRLOG 19980308

今日は娘をバイクに乗せて、生越梅林まで梅干しの買い出し。
毎年この季節は花粉に苦しみながらも梅を見て、おにぎり食べて梅干しを買って帰る。
ツーリングリポートは「バイクは風の子」のページに任せるとして、今日はSONY製のVHSビデオプレーヤの修理報告。

・機器名

    SONY SLV−P33
・症状/入手費用
    前の持ち主曰くメカ故障品ということだけで、特にコメントなし。
    お礼として図書券を1000円分郵送する+宅配の着払いが1500円。
・故障確認
    手持ちのテープを再生するとまともに音声と画像が出る。早送り、巻き戻しも問題なし。スチルが乱れるが原因は不明。
    この再生専用デッキは、フルローディングタイプ。早送りや巻き戻し時もヘッドにテープが軽く接触しているのでヘッド摩耗が早くて嫌いだ。
    但し再生専用機なので、巻き戻しは通常のボタン以外に迅速巻き戻しと書かれたボタンがある。このボタンを押すとピンチローラーが上がりローディングアームも戻って高速で巻き戻す。
    「どこが壊れているんだ?」状態で、後頭部の悪魔が「儲け物」と囁く。
    しかしそんなに世の中甘くない。テープイジェクトで故障発見。テープがピンチローラに引っかかってクシャクシャになった。
    フルローディングやハーフローディング機の多くは、テープをドラムに巻きつけるときにピンチローラーが邪魔なので、カムで上げ下げしている。
    再生時はピンチローラがテープの裏側からキャプスタンへ押さえつけるので、ピンチローラを下へ降ろすときにテープガイドがカセットハーフからテープをかなりの距離を引き出さなくてはならない。
    このガイドが固着しテープが完全に戻って来なかったので、ピンチローラが引っかけてしまったのだった。
・修理部品/時間
    特になし。
    掃除に30分、修理に30分の計1時間。
・修理状況
    外装を掃除しトップカバーを外す。
    テープガイドを上からとめているナットに、マジックペンで印を付けて回転を数えながら外す。
    ガイドのシャフトに塗布されているグリスは、完全に乾いて粉を吹いている。
    少しこじるように1/4回転くらいを反復して回し取り外す。シャーシに固定されたシャフトとガイドの穴をアルコールで清掃する。
    この作業では、ガイドを抜くときにサイドのモールドストッパを折らないように注意する。
    珍言采はこの機構を欠陥、つまり設計ミスだと思う。
    「親切な電気屋さん」のページでも書いているが、SONY製のビデオデッキにこの故障が多い。
    この再生専用機はガイドの穴がシャフトの径よりかなり大きめで、下からスプリングで押し上げられている。
    約10mm近い接触部分のクリアランスが大きいと、スプリングの止め位置の都合上一方向から押し上げられてどちらかに傾き、グリスが穴から出てしまうようだ。
    耐用年数と回転頻度からするとベアリングを使用しないと駄目なのかもしれない。
    処置はモリブデン含有グリスを塗布して終了。動きはイニシャルよりスムースになったかもしれない。
    仕上げはヘッドとテープパスのアルコール清掃。ピンチローラは特に念入りに磁性体を落とす。
    ローディングアームのシュウドウ部や、ピンチローラ上げ下げのカム、テープガイド移動用のカムへシリコン系のグリスを塗布して完了。
    リモコンがないのが惜しい。
・報酬
    特になし。