◆REPAIRLOG 19980303

今日は雛祭り。小学生の娘のために、会社から帰ったら小僧寿司まで行ってキティーちゃん限定雛祭りセットを買う。
簡単な寿司パックにおまけとして6匹のキティーファミリーが入ったプラスチックの雛壇が付いてくる。
キティーちゃんはブームらしく近所の小僧寿司はどこも予約満杯で、車で30分もかかって13km離れた店でようやくGETした。
話しを本題に戻す。晩飯後、3週間前に引き取ったビデオデッキの修理がまだだったことを思い出す。
これは前の持ち主に修理報告する約束になっているので、優先度を上げて取り掛かる。

・機器名

    VICTOR HR−D66
・症状/入手費用
    前の持ち主曰く要修理品ということだけで、特にコメントなし。
    お礼として図書券を1000円分郵送する+宅配の着払いが1280円。
・故障確認
    手持ちのテープを再生すると音声と画像は出る。但しノイズバーが3本。
    音声をHi−Fiからノーマルへ切り替えると標準速で問題ない音がする。キャプスタンモーターのサーボはしっかりかかっていることになる。
    次にトラッキングを調整してみる。特に3本のノイズバーには変化なし。普通にトラッキングが外れて、またかかる。
    ノイズバーを注意してみるとヘッドが4トラック分横切っているように、しっかりしたノイズバーであることがわかる。
    原因はテープパスと推測する。
・修理部品/時間
    特になし。
    最初はオシロなしでやっていたので、計3時間。
・修理状況
    先ずトップカバーを外す。
    コネクターパネルをメイン基板ごと外し、リアパネル上部の基板アッセンブリー固定爪へ引っかける。
    このビデオデッキはよくサービス性が考えられている。つまり外した基板に負荷がかかることなくコネクターパネルを固定し電源を入れたまま基板もメカも調整が簡単に行える。
    カラーバーのテストテープを再生する。残念ながら私が持っているのは標準速度だけで、Hi−Fi信号は入っていない。
    とりあえずテープパスを調整開始。テイクアップ(巻き取り)側のローディングアーム先端のガイドを回して高さをずらす。
    あやや、簡単に回ってしまう。サプライ(送り出し)側はどうかと回すとこちらも簡単にくるくる回る。
    テープガイドシャフトを固定する六角のネジが緩々になっていたのが原因だった。
    よくあるのが内部でテープが絡まってしまい無理に引き出すときに回してしまうこと。でもこのデッキは他がまったく傷んでいないので、どうも違うらしい。
    次に我が家のリファレンス機で録画した3倍モードのHi−Fiテープを再生する。
    最初はテイクアップ側の高さを調整してノイズバーを2本、1本と少なくなる位置を探す。どうしてもなくならない場合は、サプライ側を調整しまたテイクアップ側を再調整する。
    これを何度か繰り返し最良の位置を探すのだが、我が家には中古で買った50MHzのオシロスコープがあるので持ち出す。
    ドラム背面のシールドケースから出ているTP(テストポイント)で信号を拾うが、このHR−D66はビデオ系が出ていない。
    仕方がないのでシルードケースからメイン基板へ接続されているワイヤーハーネスのコネクターから信号を追いかけ、ビデオ系のTPを見つけてプローブを接続する。
    既におおよそのテープパス調整は終わっているので、2H(水平走査線2本分)がフルスケールになるようにオシロを合わせる。
    テープパスの基本的な考え方は、ヘッドギャップが磁気記録パターンの中央部を走らせることである。そこでテイクアップとサプライのガイドの高さを微調整して信号レベルが高くなるように、次に1H間のレベル値がフラットになるように調整すればよい。
    しかし松下(我が家のリファレンス機)とVICTORの製品は、3倍モードでのHi−Fi信号の互換性が悪い場合が多い。
    映像でテープパスを調整するとHi−Fi音声のベスト位置にならないのがヘッドホンでわかる。
    4ヘッド機のテープパス調整を3倍モードでやるのは、ギャップが狭くてそれだけシビアだから。
    調整が完了したらガイドの固定。珍言采が持っているキーレンチの最小は1.5mmだがこれでも大きい。とりあえずの常套手段である精密ドライバーのマイナスで、六角穴の対角線に合うサイズを使用する。
・報酬
    特になし。
    Hi−Fiビデオデッキの出物があったら欲しいと3人から言われて入荷待ち状態。
    このデッキは画像がよいので少し惜しいが譲ることにする。