◆REPAIRLOG 19980104

2台の壊れたVHSビデオデッキを合体して1台に仕上げた。

・機器名

    松下 NV−G50
・症状
    DECK1は、ヘッド摩耗。DECK2は、音声出ず。
・故障確認
    DECK1は、秋葉原の中古屋の裏階段に積まれた「ノーチェック品」と称されて売られている怪しいものを、1980円で買って来た。
    帰宅後バラしてみると完全にヘッドが摩耗しており自己録再生も他機録再生もNGだった。
    DECK2は、個人のHPフリマ欄で偶然見つけた。ちゃんと音声が出ないと連絡があったものを送料+1000円くらいで買った。
    到着後バラしてみるとその通り音声が出なかった。
・修理部品/時間
    ニコイチ(2台を1台にする)なので特になし。
    約1時間半。
・修理状況
    秋葉原で入手したDECK1の方が外装が奇麗だったので、DECK2からドラムモーターごと移植することにする。
    トップカバーを外す。次にボトムプレートを外す。フロントキャビネットアセンブリーを外す。
    このNV−G50にはフロントに大きなドアパネルがありスイッチ類が多数付いている。フロントキャビを外すときには、この配線に注意が必要。
    現在の主流はフレキ(フレキシブル基板)なので、このフレキが差し込まれるコネクターを壊さないように抜く。
    次にカセットハウジングを外す。これもコネクターで基板とつながっているので、注意して外す。ハウジングを固定しているネジは、何故か何処のメーカも+1番の小さいドライバーが必要なこと。
    またドライバーの先でドラムやヘッドを傷つけないように細心の注意をはらうこと。
    ここまでで約15分
    本来ヘッドが摩耗したら部品代節約のためアッパードラム単位で交換する。しかしこの作業は半田ゴテでロータリートランスとヘッドをつないでいるリード線を外したりアッパードラムを外すのに時間がかかる。
    昔はロータリートランスやヘッドからの信号を増幅するプリアンプの性能が悪かったので、ロータリートランスの結合Qの調整がシビアだった。
    具体的に言うとアッパードラムとロワードラムは2個のロータリートランスが向き合って組み立てられており、最もQが高い位置に調整するために数ミクロンと数十ミクロンのスペーサをいくつか組み合わせて挟んでいた。
    当然アッパードラムを交換するとロータリートランスが変わるので、スペーサーを入れ替える調整が必要になりサービスマンを泣かせていた。
    ドラムモーターアッセンブリーを交換するには、先ず上部のアースブラシを外す。ドラムの上にシールドプレートがある場合は、それも外しておく。次にボトムからモータードライブ基板へ接合しているコネクターを外す。
    最後にドラム下部を固定している大きな3つのネジを外す。
    最後のネジを外すときは、ドラムが外れて転がらないように注意する。





    ここまでで約35分。
    組み立ては単純に逆の作業をやるだけ。
    調整は特に必要としない。今まで約8台のドラムモータアッセンブリーを交換したが、すぐに自己録再生して問題が発生したことはなかった。
    昔はテープパス調整が必要だろうとテストテープを再生し、オシロでプリアンプ部のテストポイントからFMの波形を観測しながらローディングアームのテープガイドを上下に調整してみたがやらなくても同じ事が続いたので、今は省略している。
・報酬
    ニコイチは結構元手がかかっています。私のフリマ欄へ売りに出していますが赤字です。